Skip to content

ジェネラル

オンプレ回帰が増えている理由とは?クラウド併用の最適解を解説

2026 May 8Mayuko Yoshitome

業界を問わずクラウドファーストが一般的になった今、逆にオンプレミス(以下、オンプレ)に回帰する動きが注目を集めています。クラウド利用料の高騰を受け、経営層から「オンプレに戻したほうが安いのではないか?」と問われて、比較検討を迫られている情シス担当者も多いのではないでしょうか。

本記事では、オンプレ回帰が増えている理由を整理したうえで、全面的にオンプレ環境へ戻すことのリスクと、現実的な最適解としてのハイブリッド構成について解説します。

オンプレ回帰とは

オンプレ回帰(Cloud Repatriation)とは、一度クラウドに移行したシステムやデータを、再びオンプレ環境に戻す動きを指します。海外では2020年頃から注目を集め始めたとされており、日本でも近年急速に関心が高まっています。

オンプレ回帰が増えている主な理由

企業がクラウドからオンプレ環境への回帰を検討する背景には、コスト・セキュリティ・パフォーマンスに関連する3つの課題があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

クラウド利用料の想定外の高騰

クラウドサービスの多くは従量課金制を採用しており、データ量の増加に比例して費用が膨らみやすい構造になっています。特に見落とされがちなのは、クラウドからデータを取り出す際に発生するエグレス(下り転送)料金です。バックアップのリストアやデータ分析のために大量のデータを転送すると、想定外の高額請求につながるケースが少なくありません。

さらに、AWS・Azureなど主要クラウドはドル建てで課金されるため、円安局面では為替の影響でコスト負担がさらに増大します。こうしたコストの不透明さが、多くの企業にオンプレ回帰を促す要因の一つとされています。

セキュリティ・コンプライアンス要件の厳格化

金融・医療・公共分野など機密性の高いデータを扱う業界では、データの保管場所やアクセス制御を自社の基準で厳格に管理したいというニーズが高まっています。クラウドプロバイダーとの契約だけでは自社のセキュリティポリシーを完全には満たせないと判断し、オンプレ環境への回帰を選択する企業もあります。

経済安全保障やデータ主権に対する意識の高まりも、こうした動きを後押しする要因の一つです。

パフォーマンスとカスタマイズ性への不満

大量データ処理や低遅延が求められるワークロードでは、クラウド環境では細かいチューニングがしにくく、期待どおりのパフォーマンスが得られないケースがあります。

近年はAI活用やデータ分析といった高負荷処理のニーズが急増しており、パフォーマンス面の課題がより顕在化しています。このため、「どのワークロードをどの環境で動かすべきか」を柔軟に判断できるオンプレ環境の自由度を再評価する動きも広がっています。

全面的なオンプレ回帰が現実的でない理由

オンプレ回帰にメリットがあるとはいえ、すべてのシステムをオンプレ環境に戻すのは簡単ではありません。全面回帰に踏み切る前に押さえておくべきリスクを整理します。

初期投資と調達リードタイムの壁

オンプレ環境を一から構築するには、サーバ・ネットワーク機器・ストレージなどのハードウェア調達に多額の初期投資が必要です。特に中堅・中小企業にとってはキャッシュフローへの影響が大きいことから、クラウドのコスト高騰を理由にオンプレ環境に全面回帰する判断は容易ではないでしょう。加えて、機器の選定から設置・稼働まで数か月単位のリードタイムがかかることも少なくありません。

運用負荷と人材不足の問題

オンプレ環境では、保守・監視・セキュリティパッチの適用・障害対応など、継続的な運用管理の負担がクラウド利用時よりも大きくなります。日本の中堅・中小企業では社内ITインフラを管理できるスタッフが慢性的に不足しているのが現状です。オンプレ回帰することでスタッフの負担増や属人化が進めば、人件費が増大して当初の目的を達せられない恐れがあります。

拡張性・BCP対応の制約

オンプレ環境はスケールアップ・スケールアウトに物理的な制約があり、データ量の急増やビジネスの拡大に対して柔軟に対応しにくい面があります。また、災害対策(BCP)の観点でも、オンプレ環境のみではデータの遠隔保管や冗長化に限界があります。自然災害リスクの高い日本においては、データの保管先を分散できる仕組みを持っておくことが不可欠です。

適材適所のハイブリッド構成が現実的な最適解

ここまで見てきたように、全てをオンプレ環境に戻すのも、全てをクラウドに置き続けるのも、それぞれにリスクがあります。そこで現実的な最適解と言えるのが、ワークロードの特性に応じてオンプレ環境とクラウドを使い分ける「ハイブリッド構成」です。重要なのは「オンプレかクラウドか」の二者択一ではなく、それぞれの強みを活かして適材適所で組み合わせるという発想です。

具体的には、高速処理や低遅延が求められる演算系ワークロードはオンプレ環境や既存クラウドで稼働させ、増え続ける大容量データの保管にはコスト効率の高いクラウドストレージを活用するという振り分けが考えられます。こうした役割分担により、初期投資や運用負荷を抑えながら、クラウドのコスト肥大化も防ぐことができるでしょう。

このハイブリッド戦略を成功させるカギは、特にコストが膨らみやすいストレージ領域の最適化にあります。

ストレージコストの課題をWasabiで解決する

ハイブリッド構成でストレージコストを最適化するなら、料金体系がシンプルなクラウドストレージの選定が重要です。ここではWasabi Hot Cloud Storageの特長を紹介します。

>Wasabi Hot Cloud Storage

エグレス料金ゼロの料金体系

主要クラウドでは、データを取り出すたびに従量課金のエグレス料金が発生し、月々のコストが予測しにくいという課題があります。Wasabi Hot Cloud Storageは、エグレス料金やAPIリクエスト料金が不要で、ストレージ使用量に対してのみ課金されるシンプルな料金体系を採用しています。隠れたコストが発生しないため、予算管理がしやすく、「使えば使うほど高くなる」というクラウドコストの不安を解消できます。

S3互換で既存環境と連携しやすい

Wasabi Hot Cloud StorageはAmazon S3互換のAPIを提供しており、既存のバックアップツールやアプリケーションとスムーズに連携できます。オンプレ環境や他のクラウドからのバックアップ先・アーカイブ先として、大きな開発コストをかけずに導入できる点もメリットです。「処理はオンプレ環境や既存クラウド、大容量ストレージはWasabi」というハイブリッド構成を、既存環境を大きく変えることなく実現できます。

まとめ

オンプレ回帰が増えている背景には、クラウド利用料の想定外の高騰、セキュリティ要件の厳格化、パフォーマンスへの不満といった理由があります。しかし、全面的にオンプレ環境へ戻すことは、初期投資や運用負荷の面で現実的とは言えません。

ワークロードごとに最適な環境を選ぶハイブリッド構成こそが、コスト・運用・拡張性のバランスが取れた最適解です。とりわけデータ量が増え続けるストレージ領域は、エグレス料金が不要なWasabi Hot Cloud Storageのようなサービスを活用することで、大幅なコスト最適化が期待できます。

まずは自社のストレージコストの見直しから、ハイブリッド構成への第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

ストレージ最適化

オンプレとクラウドの最適な使い分け

クラウドコストの高騰や運用負荷の課題に対し、
ハイブリッド構成で効率的なデータ管理を実現します。

ソリューションを見る
Digital icons for communication and technology radiate from a glowing circular platform, creating a network-like effect on a dark background.
ジェネラルシャドーAIのリスクとは?情報漏洩を防ぐデータガバナンス戦略を解説

エアギャップバックアップとは?理想の隔離環境を実現する方法を解説