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INDUSTRY

ベンダーロックインのない、将来に向けたバックアップビジネスの構築

2026 February 13Robert Callaghan

マネージドサービスプロバイダー(MSP)にとって、クラウドバックアップの設計は、サイバー攻撃から顧客を守るだけでなく、自社のイノベーション、差別化、利益率の向上にも影響します。市場における脅威が激化し、収益が圧迫されるなかで、選んだベンダーに隠れたコストや制約があった場合、業界をリードできるか否かが大きく左右されます。

イノベーションや競争力について考えるとき、データの保存方法は最優先事項ではないかもしれません。しかし実際には、それこそが将来を見据えた戦略の基本的な要素なのです。データの保存とバックアップは、ランサムウェア攻撃、システム障害、データ破損、ITエラーによるビジネスへの影響を最小限に抑える上で重要な役割を果たします。必要なときにいつでも適切なデータをすぐに利用できるかどうかは、予算の柔軟性や、新しい機能やサービスを提供して他社と差別化を図れるかどうかにも大きく影響します。

Data Protection Mattersが発行した2025年のホワイトペーパーでは、今後数年にわたってサイバーレジリエンス、コスト管理、イノベーションを継続的に両立させるには、オープンかつハイブリッドなクラウドバックアップ戦略が必要とされています。ハイブリッド戦略とは、データバックアップの冗長性と保護、およびクラウドプロバイダー間の相互運用性を実現する分散クラウド基盤の構築を意味します。これにより、複数のプロバイダーのサービスと機能を柔軟に組み合わせ、ビジネスの将来性をさらに高めることができます。

Every data protection strategy should be cloud-powered (すべてのデータ保護戦略でクラウドを活用する必要性)

MSPが利益率を守り、サイバーレジリエンスを高め、競合との差別化を実現するためには、オープンでハイブリッドなクラウドバックアップが必要です。その理由について、アナリストによるガイダンスをぜひご確認ください。

ホワイトペーパー(英語)を読む

技術面・コスト面での懸念事項

成功するデータストレージやクラウドバックアップ戦略に組み込むテクノロジーの選択は、経済的な判断と密接に結びつきます。技術面では、「プロバイダー中立」のオープンエコシステムを採用することで、さまざまな場所にバックアップを保存する際のデータ損失やアクセス不能のリスクが軽減されます。これにより、どこか一箇所で障害が起きても影響を最小限に抑えられ、特定のプロバイダーや単一障害点に依存しない構成が可能になります。

オープンクラウドのエコシステムでは、個々の顧客のニーズを満たす最善のサービスを厳選できます。そのため、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloudなど、従来のハイパースケールプロバイダーによるベンダーロックインを回避することが可能です。また、これらのクラウドネイティブプラットフォームでは、下り転送料が長年にわたるマイナスポイントとなっています。

さらに、新たな懸念として挙げられるのが、ソフトウェア、ストレージ、セカンダリボールトを単一のクローズド環境にまとめた「シングルスタック」バックアッププラットフォームの台頭です。このモデルは一見便利に見えますが、データを独自のエコシステム内に閉じ込めるため、別のストレージプロバイダーやクラウド、インフラへ移行しようとすると、高額な再設計が必要になります。かつてのITサイクルでも起こったように、このような制約はいずれ、イノベーションを阻害する要因となります。単一のプロバイダーによる結合サービスのみに依存すると、顧客に提供できるオプションや機能が制限されることになります。

コスト面では、ハイパースケールプロバイダーの場合、隠れた手数料でMSPの利益を圧迫する傾向にあります。イミュータビリティ(不変性)、レプリケーション、オブジェクトのサイズ設定といった機能には追加料金がかかり、すぐに費用がかさみます。こういったコストが原因で、完全なデータ保護や定期的な復旧テストを行いにくくなり、結果としてセキュリティとコンプライアンスにギャップが生じることになります。しかし、こうしたサービスや価格モデルに縛られ続ける必要はありません。

ハイパースケールストレージからの転換 

おそらく、あなたの組織や顧客は、AWS、Microsoft、Googleなどの主要なクラウドストレージサービスに大量のデータを保存していると思われます。なぜなら、拡張性の高いクラウドストレージを最初に市場に投入したのがこれらのサービスであるためです。これらのプロバイダーは、急増するデータ量を処理するために、独自のルール、料金、制限を持つ複雑なストレージ階層(ホット、クール、コールド)を構築しました。その結果、隠れたコスト、運用の複雑さ、ベンダーロックインという懸念点が生まれ、今ではMSPの足かせとなっています。

たとえば、データ複製、イミュータブルバックアップ、復旧時間と復旧ポイントのテストなどを行えば行うほど、ハイパースケーラーでは追加料金が増えていきます。これらの企業は、データの上り・下り転送、APIコール、ストレージに対して「従量課金」制で料金を請求します。これでは予測が難しく、予算化がほぼ不可能です。サイバーセキュリティの観点では、災害復旧計画のテストに高額な下り転送料がかかることで、本来であれば事業継続のために行うべき定期的な復旧テストの実施をコスト面で諦めなければならない状態に陥ります。クラウドのコストと管理の削減を検討していても、自社と顧客のデータを適切に保護しようとするとますますコストがかかり、管理が複雑になるのです。

一方、オープンエコシステムを採用すると、業界標準の相互運用パートナーシップによって、ハイパースケーラーのサービスからWasabi Hot Cloud Storage(詳細は後述)などの他のクラウドにデータストレージを拡張できるようになります。その結果、シンプルかつ最適な価格モデルを選択が可能になります。また、復旧時にはデータへ即時にアクセスでき、重要なバックアップを複数のクラウド基盤に分散させることで、冗長性と保護が高まります。先述のとおり、ハイブリッドクラウドストレージとバックアップは、特定のクラウドで発生したインシデントによるデータ損失やアクセス不能のリスクを低減します。

ストレージが重要な理由とWasabiの役割  

将来を見据えたクラウドバックアップ戦略を実現するには、ハイブリッドクラウドストレージとバックアップサービスを統合する必要があります。クラウド、オンプレミス、あるいはMSP拠点に導入された主要バックアッププラットフォームとストレージを統合することで、データを包括的に保護し、サイバー攻撃、システム停止、偶発的なデータ損失といったインシデントから迅速に復旧することが可能になります。

Wasabiは、高速アクセスと回復性を備えた業界をリードするパフォーマンスをお手頃な価格で提供し、Veeam、Commvault、Cohesity、Rubrik、HYCUなどの主要パートナーの多様なバックアップサービスと連携しています。すべてのデータはプライマリデータとしてアクセス可能であり、クローズドなシステムでありがちな、「コールド」ストレージ(安価だが総所有コストは低くならない)からの取得遅延を回避できます。WasabiのホットストレージはAWS S3 Standardと同等のパフォーマンスを提供していますが、低コストなうえ、アクセス、APIコール、下り転送に対する料金は一切発生しません。また、Wasabiは特定のバックアップアプリケーションに縛られないため、任意のバックアップサービスとシームレスに接続できます。

WasabiはAWS S3と完全に互換性がありながら、テラバイトあたりのコストが最大80%削減されます。支払うのはその料金のみで、データのアクセス、アップロード、復旧に関する隠れた追加料金はありません。Wasabiは、データレジリエンスが定期的な復旧テスト能力にかかっていることを理解しているため、テストやデータ復旧に料金を課しません。価格モデルは予測可能に設計されているため、追加コストをかけずに、必要な頻度でバックアップと災害復旧計画をテストすることができます。こうしてコストが下がることで、利益の増加にもつながります。

また、貴重なデータを改ざん、盗難、紛失からさらに保護する最先端の機能も利用できます。たとえば、イミュータブル機能では、指定された期間、データの変更を禁止することができます。先述のパートナーとの統合クラウドバックアップサービスによって、サイバー攻撃、ハードウェア障害、偶発的なデータ損失などのインシデントからの復旧に不可欠な安全性が保障されます。

データを徹底的に保護する

データは今や王様のような存在となりました。クラウドバックアップへのアプローチは、ビジネスの継続性とレジリエンスだけに関わるものではありません。複数のクラウドプロバイダーからサービスや機能を組み合わせ、革新的でカスタム可能なサービスを提供できるかどうかが、今後の競争力に直結するのです。

オープンなハイブリッドクラウドバックアップは、データセキュリティに将来性と、ロックインを回避する最大の可能性を提供します。相互運用可能なクラウドパートナーと標準のエコシステムが拡大する中で、ハイブリッドクラウド環境を活用できる時代が到来しています。オープンエコシステムを活用することで、異なるクラウドを使ってIT環境をシームレスに拡張します。つまり、使用中のハイパースケールサービスを、小規模で革新的なクラウドサービスで補完することができるようになりました。また、顧客のニーズに最適なプロバイダー、サービス、機能、価格を自由に選択できることで、新たなビジネスチャンスにもつながります。

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